最近よく聞く「グルテンフリー」。これだけ知名度が上がっても、実際に毎日実践している人は少なく、その実際はベールに包まれているのではないでしょうか。
実は、わたしは麦アレルギーなので、毎日グルテンフリー食を作って食べています。
知人からも聞かれることが増えたので、もしかしたら興味を持っている人はたくさんいるのかもしれません。せっかくなので、今回はグルテンフリー食をしていて分かった、意外な麦入り食品についてお話していこうと思います。これがきっかけで、普段食べている食品の原材料に、興味を持っていただけたら嬉しいです。
最近よく聞くグルテンフリーとは
そもそも、グルテンフリーはダイエットと誤解されることが多いのですが、本来はちょっと違う性質のものなので、はじめに詳細をお話しておきますね。
「グルテン」というのは、小麦に含まれるタンパク質、「グルテニン」と「グリアジン」が結びついてできたものです。たとえば、小麦粉に水を加えて練ると弾力のある生地が出来上がるのは、グルテンの働きによるもの。このグルテンを控える食事が「グルテンフリー」と呼ばれる食事法です。
わたしがグルテンフリーをしている経緯
20代後半のあるとき、生活に大きな支障を来たすくらい謎の消化管の不調に悩まされました。10代の頃からたびたび不調は感じていたのですが、年々じわじわと悪化していった感じです。
仕事も出来ない状態で途方にくれていたある時、たまたま飲んだ花粉症の薬で症状が楽になることに気づき、食物アレルギーを疑いはじめました。過去に一度アレルギー検査で小麦に反応したことを思い出し、自主的に小麦を抜き始めました。
それからやっと体が楽になってきて、お医者さんにも「アレルギーかもしれないね、具合悪くなることがわかっている食品は控えましょう」と言われているので、グルテンフリーを実践しています。
今では小麦以外の麦にも体が反応することがわかったため、大麦やハトムギなども取り除いた食事をしています。
グルテンフリーのときに食べられない原材料
ラーメン・パン・ピザ・うどん・パスタ・揚げ物・洋菓子は、グルテンフリーで食べられない料理として挙げられることが多いので、「えっ!?何食べて生きてんの!?」と驚かれます。しかし、あらかじめ除去する原材料を決めて手作りすれば、ケーキやピザもきちんと食べられるんです!
わたしが家で作っているのは、米粉のケーキや米粉のピザなど、本来は小麦粉で作られている食品を、別の粉を使って作っているんです。お菓子の場合はグルテンフリー専用のレシピを使いますが、朝晩の食事は小麦粉を米粉や片栗粉にすれば、普通のレシピを応用して作ることもできますよ!
アレルギー対応食品を置いているスーパーなら、米粉のパンやうどんも市販されていますし、素材を入手して1から作れば、結構色々なものが食べられるんですよ!
食品を選ぶときには、原材料表示を確認して、小麦・大麦・ハト麦などから作られている下記の原材料を除くようにして選びます。
こんな風に、グルテンフリー生活を送っていると、購入する食品の原材料表示を常に見ながら生活することになるんです。毎日のことなので、あまり深刻に考えすぎると疲れてしまいますし、家族や友人との食事の時間も楽しく過ごしたいので、最近は買い物も料理も楽しんでいます!
「大変だね……。」と言われますが、こんなことでもなければ、わたしが食品の原材料について考えることなんてなかったように思うので、ある意味いいきっかけになりました。
なかでも一番勉強になったのは、本来手作りすれば小麦なんて使わないであろう食品にも、原材料を見ると小麦が使われているということ。ここからは、今回のメイン「意外な小麦入り食品」についてお話していきましょう。
まさか!コレにも?意外な小麦表示食品ランキングTOP10
今回は、わたしが「え!この食品の原材料にも小麦!?」と驚いた、市販の加工食品や調味料を10個ピックアップしました。驚愕した度合いでランキング付けしてみましたので、10位から順番にご紹介します。
10位:プリン
「あれ?プリンって卵からできてるんじゃないっけ???」って不思議になりますよね。確かに、ほとんどのプリンは卵と乳製品で作られています。しかし、食感のためなのか、稀に小麦系のでんぷんが入っているプリンも……。これにはちょっとびっくりしました。とくにコンビニスイーツのプリンは確率が高いです。アレルギーをお持ちの方は、よく確認してから選びましょう。
あと、上にフルーツが乗っかってるような、プリン・アラモードも、スポンジ素材などの小麦が入っている確率が高いように感じます。グルテンフリーを始めた頃に、スーパーでクリームが乗っかったプリンを買って、ワクワクしながら食べようとしたら、スプーンですくった瞬間に、中からケーキ用のスポンジが出てきて固まったことがありました。「これ、美味しいんだよね!今はもう食べられないけれど^^;」って。
9位:カレーのルウ
誰しも「たまに食べたくなる!!!」っていうカレー。野菜を切って、コトコト煮て。野菜スープにカレー粉が入ってるんでしょってイメージ、持ってませんか?これのどこに小麦が入っているのか、不思議ですよね。しかし、市販のカレーのルウには小麦粉が入っています。実は、カレーのとろみの正体は小麦粉なんです。
そんな感じで市販のルウは、食べられなくなりました(´·ω·`) もしも、小麦アレルギーの方がカレーを食べるなら、カレー粉から作るレシピが無難だと思います。ちなみに、シチューのルウやハヤシライスのルウも同様に小麦が入っています。
8位:米粉(こめこ)パン
「米粉って書いてあるのに!!!!(笑)」って思うじゃないですか。米粉ってグルテンフリーしている人にとって第一選択肢に入る粉なので、つい味方なのだと(勝手に)思ってしまうのですが、原材料をよく見た方がいいです。小麦グルテンって書いてあったり、小麦粉が混ざっていたりするので……orz
そもそも、市販のパンのあのふっくらした感じって、グルテン以外で出すのが難しんですよ。なので、米粉パンは普通のパンとは食感が違うものが多いです。フッカフカで美味しい小麦不使用の米粉パンを見つけたときは、開発者の方へ感謝の祈りを捧げています……(拝)
7位:蕎麦
「蕎麦粉から作られているはずでは!!??」って思いますよね(笑)蕎麦粉100%で作られているのは「十割蕎麦」という特殊な蕎麦らしいです。十割蕎麦という表記のあるお店で作られているみたい。(ただ、打ち粉に小麦を使っている場合もあるらしく、よほどアレルギーに理解のあるお店でないと安心して食べられないです。)
一般にスーパーで格安で売られている乾燥したお蕎麦の麺には、小麦が入っています。実は、うどんやラーメンと、あまり変わらないんですよね。麺類は小麦以外で作られているものの方が珍しいです。
6位:おせんべい
「お米で作られているイメージがあったけどな……」と、勝手に裏切られた気持ちになったのがおせんべい(笑)厳密には、一部のおせんべいです。やっぱり食感を出すためなのか、スーパーで売っているおせんべいの半分くらいに小麦表記がありました。もちろん、醤油が入っているっていうのもあると思うけれどね。
純粋にお米を原料にしている商品もあるので、そういうおせんべいは美味しくいただいています。醤油の他に小麦が入っていないのかとか、この辺りは、原材料表示を読めるようになると、食べられるものが見分けられるようになります。ありがたいですね!
5位:ポテトチップス
「ジャガイモじゃないんかい!!!(笑)」って、原材料を初めて見たとき笑ってしまいました。そんなのあるんだ〜って思うでしょう? 結構入ってるんですよ。 ジャガイモと小麦を練って揚げているのかしら?なかなか想像出来ないですよね。
ちなみにフライドポテトもこのパターンがたまにあります。「これってすでにポテトじゃないよね」ってツッコみたくなるのはわたしだけでしょうか?
4位:ドレッシング
「え?どこに入ってるの???」って思いますよね。わたしにもわかりません。醤油が入っていないドレッシングに小麦表記があるということは、とろみをつけるためでしょうか?それとも、たんぱく加水分解物? 安いドレッシングには、やはり「小麦」表記が多いです。「一部に小麦を含む」という一括表記を採用している商品も多くて、どの材料が小麦由来なのか特定するのが難しいものの1つです。
稀に「小麦」表記がないものでも、「酵母エキス(大麦)」が入っていることもあり、アレルギー持ちの方にとっては難関な食品の1つだと思います。食べられるドレッシングを見つけたらリピートするか、酢とマヨネーズで手作りするのが食べる近道です。
3位:料理酒
「えっ!!どこに小麦が!!??」って思いますよね。スーパーで売ってる値段の安い料理酒の原材料に、小麦が入っていました。これまた、グルテンフリー初心者には難解な食品の1つです……(苦笑)大麦から醸造するビールがあるくらいなので、小麦から作られているお酒もあるのかもしれませんし、わたしが無知だっただけなのかもしれませんが……。衝撃を受けましたね^^;
比較的お値段が高めの料理酒だと、お米由来のものがあるので、見つけることは容易だとは思います。とはいえ、お財布には優しくないので、いつも複雑な気持ちで買っています(苦笑)
また、飲みものとしての市販のお酒類は「ウォッカ」「ジン」「スピリッツ」など、そもそもの原材料が非常にわかりにくいので、注意が必要なものの1つです。アレルギーの生活情報は子供向けのものが多くて、この辺りの情報はまだまだ少なく、苦労しています。
2位:加工されたお肉
「お肉なら食べれるよねって思ったら違った(笑)」という、ちょっとがっかりした思い出の食品です。一部のウインナーやハムなどの練ったお肉には、小麦が入っていることが多いので、一度入っていないものを見つけたらリピート必須。あと、加工されたハンバーグにはつなぎに小麦が入っているので、手作りした方が安心です。
グルテンフリーを始めたばかりの頃、お肉なら食べられるだろうと、とあるステーキチェーン店に入りました。しかし、店員さんに「当店のステーキは、食感を柔らかくするために小麦を入れておりまして、アレルギーをお持ちの方にはお召し上がりいただけません」と断られて衝撃を受けたことがありました。大人しく、家で生肉を焼いて食べています。お肉は上手に焼けるようになりました(笑)
1位:塩コショウ
「どこに入っているの?」というより「なんで入れちゃったの?」と思った商品が第1位に輝きました。不名誉かもしれませんが、おめでとうございます^^
多くの人が抱くイメージ的に「塩コショウ=塩+胡椒」ですが、実際に原材料表記を確認してみると、なぜか小麦由来の材料が加えられている商品が一部にあります。そう、「塩+胡椒」以外にも色々入っているんですよ。これはアレルギーのない方でも「え?」って思うかもしれません。
ただ、多くの塩コショウは「塩+胡椒=塩コショウ」なので、あまり心配しなくても大丈夫。気になった方は原材料表示を見てみるといいと思います♪
隠れ“小麦入り食品”があまりにも多すぎると感じた
今回紹介したみたいに、ポテトチップスだとかお肉だとか、本来小麦からは作られるはずのない食品にまで小麦が入っているので、これまで知らず知らずのうちに自分がすごく偏った食生活をしていたんだって分かりました。
例えば、【朝】パン【昼】カップ麺【おやつ】メロンパン【夜】うどん……ってなったら、さすがに「あ、ちょっと小麦に偏ってるな」って気づくじゃないですか。
でも、【朝】カレーライス【昼】サラダにドレッシング【おやつ】ポテトチップ【夜】ハンバーグ……これが、手作りではなく加工食品だったら、自分が毎食小麦をとっているなんて気づかないんですよね。
なので、スーパーでは原材料表示をよく見てみて。お砂糖は「甘い!」って分かるからとりすぎても量をコントロールしやすいけれど、小麦ってどんな味にも化けられる食材なので、注意深く原材料を見ないとコントロールするのが難しいんです。何を選んで食べるのか、自分の食事は偏っていないか、意識するきっかけになるはずです。
もしかしたら、世の中で今グルテンフリーが注目されているのは、一部の消費者がこういう事実に気づいたからかもしれないなぁとひっそり思っていました(´·ω·`)
最後に:知らずに小麦を食べていることを知って欲しい
色々挙げましたが、わたしはそもそも「小麦」が悪者だとは思っていません。20代後半まで、ケーキもラーメンもハンバーグも、スイーツも大好きでしたし、アレルギーではない健康な方にグルテンフリーを推奨するつもりもありません。
ただ、今回挙げたみたいに、本来手作りすれば小麦が入らないはずの食品にまで小麦由来の原材料が入っている加工食品もあります。当たり前のようにスーパーに並んでいて、みんな気づかずに買っています。
昔のわたしのように「食事が知らず知らずのうちに小麦だらけ」を毎日続けているような、偏った食生活になっている人もたくさんいるはずです。自分が普段食べている加工食品が何からできているのか、ぜひ「原材料」に興味を持って欲しいなと思っています。
栄養がきちんととれて、さらに味も美味しい食品は、世の中にたくさんあります。偏りのない食事にするためにも、自分が何を食べているのかを理解して、自分の意思で食品を選んでいけたらいいですね!