いつも何気なく使っているドライヤー。現代のドライヤーには、温風以外にもさまざまな機能がついていますよね。
そんなボタンを見ながら、「この冷風機能って何の意味があるんだろう?」と、ふと疑問に思ったことはありませんか?
実はわたしも、子供の頃は温風しか使っていなかったので、冷風機能が存在するのを不思議に思っていたことがありました。
大人になって美容院に通うなかで、美容師さんに髪の扱い方を教わった折に、冷風の意味も教えて頂いたのです。今では冷風を使わない乾かし方は考えられないまでになりました。
今回は、かつてのわたしのように、ドライヤーの冷風機能に関して疑問に思っている方に、この機能が存在する意味や使い方についてご紹介して行きたいと思います。
この豆知識を知っておくと、ドライヤーをより効果的に使えるはずです!
ドライヤーに必ずついている「冷風」の意味・役割・効果
現在日本で発売されているドライヤーの多くは、「温風」のほかに「冷風」機能を兼ね備えていることはみなさんご存知のとおり。
実は、この冷風には、開いてしまったキューティクルがを閉じる効果があるのです。
美容院で髪を乾かして貰うときにも、美容師さんが温風のあとに冷風を当てるわよね。それにはこういう意味があったの。
自宅でのセルフケアも同様です。温風のあとに冷風を当てることでキューティクルを閉じ、髪の表面にツヤが出たり、形を調整した髪を固定したりする役割があるんですよ。
冷風を当てると髪のキューティクルが閉じる仕組み
そもそもキューティクルとは、髪の毛の一番外側、表面にあたる部分のこと。ウロコ状で何層かに重なっていて、わたしたちの髪の毛内部をあらゆるダメージから守るはたらきがあります。
このキューティクル、温風や水分にさらされることで開くという特性を持っています。わたしたちが普段お風呂でシャンプーをしたあと、まだ髪が濡れているときはキューティクルが開いている状態なのです。
しかし、この状態のままでは、髪の内部から水分が抜け出し、乾燥しやすくなってしまいます。そこで、ドライヤーの登場です。
温風でほどよく乾かしたあと、冷風をあてると開いたキューティクルは閉まります。その後の乾燥ダメージを防ぎ、髪になめらかなツヤを与えることに繋がります。これがオーソドックスな「冷風」の役割なのです。
実際にやってみるとわかるけれど、温風を当てたあとに冷風を当てると、明らかに髪の手触りが変わるの。
髪を伸ばしている方はとくに、活用しないともったいないですよ♪
【冷風の使い方基本編】温風+冷風で乾かしたあとにツヤを出す
ここからは、温風と冷風の両方を使った乾かし方のプロセスを具体的にご紹介します。
- タオルで濡れた髪の水分をとる
- 目の粗いブラシで軽く髪を整える
- ドライヤー本体を振りながら温風を当てる
- 7〜8割乾いてきたら、冷風に切り替える
- 表面が冷たくなり、手触りが良くなったら終了
③のときは、毛先よりも頭皮に風を当てるイメージでやるといいって美容師さんに聞いたことがあるわ。ダメージがある毛先部分は、乾燥しやすいんですって。
より髪をいたわりたい方は、アウトバストリートメント(洗い流さないタイプのトリートメント)を、①と②の間で使うのがおすすめです!
【冷風をかける時間】何分かける? オーバードライを避けるために
ドライヤーで何分乾かすのがベストかは、そのときの気温や髪のコンディションによって変わってきます。
温風モードも冷風モードも同様で、一律に「何分」と時間にこだわりすぎると、オーバードライ(乾かしすぎ)状態になってしまう懸念も。
そのため、髪が7〜8割乾いたら温風を止めて冷風に切り替え、表面の温度が下がったら終了ということを覚えておくと良いです。必ず手で髪の内部や表面を触って、状態を確認すると良いでしょう。
【冷風の使い方応用編】熱でスタイリングした髪の形を固定する
ドライヤーの冷風には、もうひとつ面白い効果が! それは、熱でスタイリングした髪の形状を固定できるという効果です。
これを活用してスタイリングするには、次の手順で行いましょう。
- コテ・アイロン・カーラーなど、熱で髪の形をつくる
- 巻いた部分の形を保つように手で固定し、ドライヤーの冷風を当てて冷ます
巻きを作ってもすぐに取れてしまうようなとき、つい高温で何度もあててしまいがちですが、実際に髪の形が固定されるのは、高い温度から低い温度に冷めていくときなのだそう。
この仕組みを覚えておくと、スタイリングした髪をより長持ちさせることができますよ!
ドライヤーの「冷風のみ」で乾かしてもいい?
もしかしたら、「ドライヤーの温風で乾かすと髪が傷むから、冷風で乾かしたい」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、冷風のみでは乾かすのに時間がかかるうえ、髪を触っている時間も長くなるのでかえって髪にダメージを与えることになりかねません。
せっかく1つのドライヤーに2つの機能があるのですから、温風と冷風、どちらも積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
【おまけ】「冷風で乾かすとハゲる」という都市伝説について
巷では、「冷風で乾かすとハゲる」という都市伝説も存在するようですが、冷風が直接悪影響を及ぼした訳ではなく、問題は「温風を使わなかったこと」ではないでしょうか。
頭皮が生乾きでは雑菌が繁殖しますし、冷えると血流が悪くなります。結果的に頭皮環境が乱れて、健康的な髪を育てられなくなってしまったのでしょう。
実際に、「自然乾燥」が抜け毛や薄毛の原因になるといわれているのも、こういった理由が背景にあるとされています。
そういえば、自然乾燥にこだわっていた小学生時代の担任が、髪が抜けて後悔していた話をを思い出したわ。
光るおでこを見ながら聞いたものだから、妙に説得力があって。今でも教訓として忘れることができないわ……。
「冷風のみで乾かす」「自然乾燥で乾かす」は、やはりNG。温風も併用して丁寧なケアを心がけたいですね。
ドライヤーの冷風(COOL/COLD)機能を上手に活用しよう!
今回は、ドライヤーの冷風機能についてご紹介してきました。1つのドライヤーに複数の機能がついているのには、やはり相応の理由があるのです。
濡れてキューティクルが開いた髪を温風で乾かした後、冷風を使ってキューティクルを閉じることによって髪内部の乾燥を防ぎ、表面にツヤを与えることができます。
これまで「いやいや、温風があるか、冷風なんて意味ないでしょw」と思っていたあなたも、今後はぜひ冷風も一緒に活用してみてくださいね。
とくに、ロングヘアの女性は冷風機能を使うと、ぐっとケアがラクになるはずですよ♫